12月議会でも多言語サービスについて一般質問しました!
今議会も次のとおり、9日に一般質問しました。
アジア・世界に開かれた安全・安心の基盤整備について質問します。
小川知事は、これまで、「県民幸福度日本一」の福岡県をめざし、アジアの活力を取り込みアジアと共に発展することと当時に、安全で安心できる社会づくりに取り組んでこられました。実際に、アジア諸国の経済成長にともない、海外からの観光客やビジネス客が増加しています。
福岡県を訪れる外国人の数は、平成25年には約94万人と過去最高となりました。また、県内の留学生の数は、平成24年に約9千人と、この10年間で約4千人増加するとともに、外国人居住者の数は平成24年に5万3千人を超え、この10年間で約1万1千人程度増加しました。
観光振興については、本県議会の議員を中心として九州の政財界の有志により結成された九州の自立を考える会が、本年10月6日に公表した「九州の成長戦略に係る政策提言」において、5つの柱からなる政策提言の第1の柱として挙げられています。また、今議会においても、産業の発展や地域の活性化など、観光振興の重要性についての指摘がなされており、さらに今後も、本県を訪れる外国人の増加が見込まれます。
その一方、近年、全国各地で大雨や台風などによる大きな被害が発生しており、本県においても、いつなんどき大規模な災害が起きてもおかしくありません。また、火事、急な病気、交通事故、犯罪などの危険も日常生活には潜んでいます。
このような中、消防や警察が、外国人の観光客やビジネス客、留学生など日本語によるコミュニケーションが困難な方からの緊急の通報や相談に、迅速かつ的確に対応できるようにすることは、アジアそして世界に開かれた安心・安全の基盤整備として重要と考えます。
■そこで、はじめに、消防における多言語対応について、小川知事に3点お聞きします。
1点目に、地域の安全・安心を支える身近な存在として、消火や救急業務を行う消防があげられますが、県内消防本部が日本語によるコミュニケーションが困難な方から119番通報を受けた場合の多言語による対応について、どのような状況にありますでしょうか。
2点目に、県外の消防本部においては、119番通報時の多言語による対応として、民間の電話通訳サービスを活用している事例があると聞きましたが、このような先進事例について、知事の認識をお聞かせください。
3点目に、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催などにより、県内各地にさらに様々な国籍、様々な母語の外国人が来訪することが見込まれます。国においては、119番通報時の多言語による対応について、スマートフォンの活用の検討等が始められたと聞いておりますが、県として、国や消防本部と連携し、今後、119番通報時の多言語による対応について、どのような取組みを行っていくか、知事のお考えをお聞かせください。
【知事からの答弁】
県内25消防本部のうち、日本語によるコミュニケーションが困難な方からの119番通報に、より適切に対応するため、対策を講じている本部は、本年11月現在、15本部ある。
具体的には、
① 通報者の言語に対応した音声案内を流す
② 司令員が外国語による応答マニュアルに従い通報の受け答えを行う
③ 通報者、指令員及び国際交流協会の通訳による
などにより対応している。
また、対策を講じていない10本部のうち、6つの本部において、現在、多言語対応の検討を行っており、残る4つの本部においても検討を行うよう促している。
他県では、通報を受けた指令員が、24時間365日体制で5か国語に対応できる民間通訳業者に連絡し、3者通話をおこなっている事例がある。県としては、このような民間電話通訳サービスの活用は、緊急を要する救急事案や災害の発生時に、迅速かつ的確に119番通報に対応するための一つの方策であると考えている。
2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されることもあり、本県を訪れる外国人の数は、今後、益々増加するものと見込んでいる。国では、スマートフォン等のアプリケーションを活用し、①外国語の表示画面から伝達情報を選択し119番通報を行う実証実験、②外国語で話しかけると即座に日本語に翻訳して音声出力する機能の救急分野への応用などについて、検討が行われている。
県としては、このような国の取組みや他自治体の先進事例について情報収集を行い、市町村や消防本部に提供してまいりたいと考えている。
■次に、警察における多言語対応について樋口警察本部長に2点お聞きします。
1点目に、日本語によるコミュニケーションが困難な方から、110番通報を受けた場合の多言語による対応について、どのような状況にありますでしょうか。
2点目に、日本語によるコミュニケーションが困難な方が、落し物をしたり、道に迷ったり、事件に巻き込まれるなどして、交番に助けを求めた場合、現場での多言語による対応について、どのような状況にあるのでしょうか。
よく言われることですが、たとえ現金の入った財布を落としても多くの場合落とし主のもとに戻ってくる国として、日本の正直で親切な国民性は、世界の人々から賞賛されています。また、地域に密着した警察の交番制度が、人々の安全・安心のための優れたシステムとして世界的に注目されていることは周知のとおりです。
困ったとき、窮地に陥ったときに助けてもらったことは、だれしも一生忘れません。もちろん交通案内や観光情報の多言語化も重要ですが、命と財産を守る重要な役割をはたしている消防と防災の多言語化は、「おもてなし」の基本ではないでしょうか。福岡県へのラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピックの事前キャンプ地の誘致のためにも、安全・安心の基盤整備として消防や警察の多言語対応は優先事項であると考えます。多言語対応のさらなる充実に向けた小川知事、樋口警察本部長の真摯なご答弁を期待し、私の質問といたします。
【警察本部長からの答弁】
日本語が話せない外国人からの110番通報への対応についてお答えします。日本語を話せない外国人から、110番通報を受けた場合は、まず、発信地を特定するシステムを活用して、直ちにパトカーや交番等の警察官を現場に派遣している。現場に派遣された警察官は、安全を確認し、事案に応じた対応をとっている。その上で、必要に応じて、警察本部の通訳センターと連携し、通訳人を介して3者間で通話を行うなど、外国人からの110番通報の対応に誤りが生じないように努めている。
交番において届出等を受けた場合は、英語、韓国語および中国語の3言語については、「落し物をした」など、警察官に伝えたいことをイラストで示したボード、いわゆる「コミュニケーション支援ボード」を活用し、対応している。また、必要に応じて、警察本部の通訳センターに通訳を要請するなどして対応している。
今後も、外国人による緊急の通報や届出に対しては、速やか、かつ的確に対応していく。
以上です。
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