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2013年6月19日 (水)

女性の活躍推進とそのための環境整備について

201306_2 本日の質問の内容と回答です。(正式な議事録は県議会HPに掲載されます。)

皆さま、こんにちは。民主党・県政クラブ県議団の堤かなめです。女性の活躍推進と、そのための環境整備についてお尋ねします。

はじめに、女性の活躍推進についてです。

今月6月は、厚生労働省によって「男女雇用機会均等月間」と、また、来週23日から29日までの1週間は、内閣府によって「男女共同参画週間」と定められ、毎年、様々な取組みが行われています。また近年では、男女共同参画を、機会均等や人権という視点からだけでなく、国の成長戦略の一つと捉える見方が、国際的な潮流となってきています。

たとえば、アメリカの証券会社、ゴールドマン・サックス社は、女性の労働力率の増加が経済に影響を与えるという「ウーマノミクス」の概念を1999年に提唱しました。2007年に同社が公表した調査レポートでは、女性の労働力率が男性と同水準になれば、日本のGDPは約16%押し上げられると推計しています[1]

このような中、昨年(2012年)6月、民主党政権下において「女性の活躍促進による経済活性化行動計画」が策定されました。この計画は、社会や企業・職場の意識を変えると同時に、女性が活躍できる場を拡大し、労働力不足の解消や停滞する経済の活力アップを図るものです。

同年(2012年)10月には、国際通貨基金 IMF と日本銀行が主催するセミナーにおいて、IMFのラガルド専務理事が、「日本人女性の半分は労働に参加しておらず、働ける文化を整備し、女性の労働参加が広がることで、日本経済の成長にも寄与する」と語り、大きな話題となりました。

本年5月16日には、福岡県において、経済界が中心となって働く女性の人材活用を後押しする「女性の大活躍推進福岡県会議」が発足し、小川知事は顧問に就任されました。発足式には、会議を構成する地元の企業・団体などから約500人が参加され、知事は「女性が社会の中で活躍の場を広げることは、福岡県の発展の鍵です。企業や団体の自主的な取り組みが大きく広がり、女性がいきいきと活躍する社会づくりの大きな一歩となることを期待します」と挨拶されています。

そこで、1点目に、このように民間の自主的な取り組みが始まっている中、女性の活躍推進に向けた本県の基本姿勢について、小川知事にお伺いいたします。

 

<回答>

少子高齢化が進展する中、女性がいきいきと働き活躍することは、社会が活力にあふれ持続的に発展するために不可欠である。我が国の人口構造は50代から女性の数が男性を上回るが、本県では20代から女性が多いという特徴がある。県では、これまで審議会等における女性登用を積極的に進めている。国においては、国の審議会等の女性委員の割合を32年度までに40%とすることを目標としているが、本県では既に全国4位となる41.6%を達成。また、この2年間で女性職員の登用を進め、課長級職員を10名府や市、今年度は歴代3人目の女性部長を最年少で登用した。県内で地元経済界が中心となった、「女性の大活躍推進福岡県会議」が設立された。県としては、今後とも率先して女性の登用を進め、民間の取組みとも連携を図りながら女性が働きやすい環境の整備や実践的リーダーの育成に取り組む。

 

2点目に、農林水産部における女性の活躍推進についてです。

農林水産業や地域の活性化においては特に、女性は、これまでも重要な役割を果たしてきました。近年では、6次産業化の担い手としても大きく期待されており、農村女性の起業が注目されています。農林水産省の調査によれば、農村女性の起業数は、2011年(平成23)年現在、全国で約1万件。約10年で2.4倍に増加しました[2]。また、同年決定された「我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画」においては、「農林水産施策における女性優先枠の設定、計画づくりに際して女性の参画を求めるなどの措置を講ずる」とされています。

また、本県においても昨年(平成24年)3月に「福岡県農業・農村振興基本計画」を策定され、「若者や女性が活躍する農業経営を推進する」と、目指す方向を示しておられます。

女性は、本県農業者の約半数を占めており、すでに福岡県の農業をしっかりと支える存在となっています。そして現代の農業経営では、生産者、生活者、消費者などの複合的な視点がますます重要になるため、本県でも、女性の経験や知恵、感性や専門知識を農業に活かす取組がこれまで以上に求められています。

このような時代の流れを敏感に察知され、農林水産部では、昨年度、女性農業者を支援する専門の係を設置し、女性への支援に力を入れておられます。

そこで、女性農業者への支援策について、具体的にどのような取り組みをされているのか、小川知事にお尋ねします。

 

<回答>

 女性は、本県の農業就業人口のうち、約半数を占めており、農業生産の重要な担い手だが、農作業に加え、育児や介護も担うなど負担が大きく、その負担軽減が課題。このため、農協において、昨年度から、女性が安心して農作業に取り組めるよう、日中、高齢者がすごせる「あんしんの広場」の設置を進めているところ。また、農繁期など女性の労働負担を軽減するため、作業者を派遣する「営農ヘルパー制度」の導入を推進。県では、これらの取組みに対し支援しており、本年度中には3分の2の農協で、来年度末までには、すべての農協で実施する予定。また、女性の能力を活かした新商品開発のための研修会やアドバイザー派遣に取り組んだ結果、米粉の生地に、地元野菜を練りこんだロールケーキなど、6商品が地元の直売所で販売され、6次産業化へのきっかけとなる取組みも始まっている。さらに、本年度からは、女性の発想や視点を活かした農業経営が展開できるよう、農家レストランを併設した果樹園などの先進事例を学ぶ講座や、量販店などで、消費動向を実感する体験研修を実施してまいる。

 

3点目に商工部における女性の活躍推進についてです。

経済産業省は、一昨年、「女性起業家に関するアンケート調査[3]」を実施しています。この調査では、女性が起業をする際に欲しかった支援として、「経営者など同じような立場の人との交流の場」、「経営に関するセミナーや講演会」と回答する割合が男性と比べて高いことが明らかとなりました。また、「就業経験が少なく、ビジネスにおける知識や経験が不足している女性起業家には、相談に乗り、助言を与えてくれるメンターの存在やロールモデルを提供してくれる同じ立場の人の存在が、重要と考えられる」といった指摘もされています。

そこで、本県商工部におかれましても、女性起業家を積極的に育成し、商工業における女性の活躍を推進すべきと考えますが、小川知事のご見解をお聞かせください。

 

<回答>

 女性の起業家の育成は、女性の感性や発想を活かした魅力あるサービスや商品の創出につながり、本県に新たな仕事と雇用を生み出すものと考えている。県においては、起業を目指す皆さんに対し、創業資金の融資や中小企業振興センターを通じた相談受付、専門家の派遣、インキュベートルームの提供などの支援を行っている。また起業後においても、経営革新計画の策定支援や福岡ベンチャーマーケットを通じた資金調達、販路拡大等の支援を行っている。そのような中で、起業を目指す女性を対象に平成9年度から福岡県男女共同参画センターにおいて「女性起業家支援セミナー」を開催し、企業のために必要な情報の提供や起業に向けた意識改革などを行ってきた。今後は、県内各地域において、商工会議所・商工会による女性のための相談窓口の設置、起業セミナーの開催、先輩女性起業家との交流会の実施などを検討していく。

 

次に、女性活躍推進のための環境整備についてです。

女性の活躍推進に際しては、注意すべき点もあります。経済産業省の報告書では、「男性を含めた働き方改革を進めないままに女性就労の『量的拡大』を図れば、正規/非正規、または正規雇用の中での階層化が進む[4]。」との指摘がなされています。また、環境整備が遅れてしまえば、独身の女性や親を頼りにできる女性など、家庭責任を背負っていない女性にとっては活躍機会が広がったとしても、ひとり親の女性、障がいのある子どもをもつ女性など重い家庭責任を抱える女性にとっては、その機会を捉えることすら難しいという状況になってしまいます。

したがって、女性の活躍推進と、ワークライフバランスや子育て支援などの環境整備とを、車の両輪として同時並行的に取り組んでいくことが重要です。このような問題意識から、男女を問わず、誰もが、やりがいや充実感を持ちながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方を選ぶことができる、ワークライフバランスの推進に向け、2年前の9月定例会で質問しました。

子育て支援に関しましては、初当選以来この2年間、待機児童の解消、放課後児童クラブの整備・拡充、子育て支援住宅の設置などについて取り上げてまいりました。福岡市では、保育サービスの相談を受ける「保育コンシェルジュ」を全区に配置し、来年4月時点での待機児童ゼロを目指すとするなど、県内でも子育て支援の充実に向けた取組みが加速しています。そこで今回は、病児・病後児保育とファミリー・サポート・センターの拡充に絞って質問させていただきます。

 

1点目に病児・病後児保育についてです。

看護休暇という、小学校就学前までの子どもを育てている労働者が、子どもの病気や負傷など、看護のために休暇を取得できる制度が、2005年(平成17年)に施行された改正・育児介護休業法により、事業主に義務化されています。しかし、実際にはなかなか利用しづらいという状況にあります。この看護休暇を父親も母親も取りやすい職場環境を醸成することも必要ですが、仕事をしていれば、どうしても休めない重要な会議や、他の人では対応できない案件などもあるでしょう。こうした時、代わりに子どもを見てくれる親や親せき、友人等がいない方々にとっては、行政サービスが頼りです。

病児・病後児保育とは、子どもが熱を出すなどの急な病気になった場合、病院や保育所等に付設された専用スペースにおいて、看護師等が保育するという事業です。内閣府が2008年(平成20年)に実施した調査によれば、保育所を少子化対策にいっそう役立てていくための施策として、この「病児・病後児保育の充実」が、「待機児童対策」に次いで2番目に挙げられています。

そこで、本県における病児・病後児保育の実施状況と今後の取り組みについてお尋ねします。

 

<回答>

現在、県内の56施設で実施され、複数自治体による共同実施も含め、41市町で利用可能となっている。県では、病児・病後児保育推進のため、未実施市町村に対し、事業実施に向けた働きかけを行っているが、病児・病後児保育に対する国の補助基準が、看護師の配置経費等の固定費までまかなえる単価設定ではないため、利用者の見込みが少ない地域では安定的な運営を図ることが難しいという意見が寄せられている。このため、県は、国に対して補助単価の引き上げ等について要望すると共に、単独実施が困難な市町村には、共同実施を引き続き働きかけることにより、病児・病後児保育の拡充を図ってまいる。

 

2点目に、ファミリー・サポート・センターについてです。

病児・病後児保育を利用するには、前日までの予約が必要となっており、子どもが突発的に熱を出して保育園に引き取りに行かねばならなくなるといった事態に対応できず、実際に困っている人が多いのも事実です。このような場合、地域にファミリー・サポート・センターがあり、対応できるサービスがあれば、保護者の代わりに病児・病後児保育施設に送迎してもらうことも可能となります。

そこで、ファミリー・サポート・センターの設置状況及び病児・病後児への対応状況並びに今後の取り組みについて、お尋ねいたします。

以上につきまして、小川知事の誠実かつ意欲あふれるご答弁を期待いたします。どうぞ宜しくお願い致します。

 

<回答>

現在、県内で24カ所設置され、広域設置により28市町で利用可能となっている。ファミリー・サポート・センターにおける病児・病後児の預かりについては、「病児・緊急対応強化事業」としても、3カ所のセンターで実施されている。県では、24年度から、ファミリー・サポート・センターの設置促進や機能強化を目的として、市町村担当者や受託事業者を対象に、設置運営に係る情報提供や市町村間の情報交換を内容とした研修会を開催している。大変参考になったと好評であるので、引き続き、研修会の内容充実を図りながら、「病児・緊急対応強化事業」の実施についても働きかけて参りたい。

 

<要望>

 小川知事よりご答弁いただきました。現時点としては精一杯のご回答をいただいたものと思いますが、1点のみ要望させていただきます。

先月(5月)20日、横浜市は、「市内の認可保育所の待機児童数ゼロを達成した」と発表しました。横浜市は、3年前には、全国で最も多い約1500人の待機児童を抱え、林文子市長が「今後3年間で待機児童をゼロにする」という公約を掲げていました。この林市長はこの公約を見事に実現されたわけです。この快挙は、初夏の明るいニュースとして大きく報じられました。

福岡県下では、これまで関係者の皆さまのご努力により保育所の整備はかなり進んできました。しかし、病児・病後児保育、学童保育、夜間保育など、きめの細かい子育て支援がなければ、本当の意味で女性が活躍できる環境とは言えません。たとえ困難な課題であっても、トップが本気になれば、2,3年で解決できることは横浜市の例からも明らかです。女性の活躍推進とその環境整備という今日的課題におきまして、小川知事の本気度を県民の皆さんにしっかりとお示しいただきたいということを強く要望いたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。有難うございました。

 

 

 


[2] 岡部佳世、旦まゆみ「農村女性起業家の事業継続を支援するための調査・分析・ネットワーク開発に関する研究~北部九州からアジアへ~」アジア女性研究第22号、2013年3月

[3]経済産業省の委託により三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)が、20113月に、20歳以上で、起業して10年未満の者(インターネット調査会社に登録されているモニターに対して事前調査を行い、調査対象に該当する男女を抽出。)を対象に実施した、インターネットによるアンケート調査。回答者数は、618人(男性309人、女性309人)。

[4]経済産業省委託事業. 平成 23 年度企業におけるダイバーシティ推進の経営効果等に関する調査研究. ダイバーシティと女性活躍の推進. グロバル化時代の人材戦略. 報告書

 

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