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2013年5月10日 (金)

性犯罪対策について、防犯講座の改善など要望いたしました。

遅くなりましたが、性犯罪対策についても、次のとおり予算特別委員会で取り上げましたのでご報告いたします。

正式な議事録は、県議会サイトhttp://www.gikai.pref.fukuoka.lg.jp/kaigiroku.htmlにアップされます。

おはようございます。民主党・県政クラブ県議団の堤かなめです。委員長、「福岡県の性犯罪の現状について」の資料を警察本部にお願いしております。と同時に、私が準備いたしました「書籍からの抜粋資料」もございますので、併せてお取り計らい願います。

<堤かなめ>

資料について説明をお願いします。

<答>

平成24年の性犯罪の認知件数につきましては、517件、前年比マイナス33件。検挙件数につきましては、328件、前年比プラス93件であります。

 

<堤かなめ>

「性犯罪の抑止」について、これまでの取組は効果があったのでしょうか、どのように評価しておられるのかお聞かせください。

<答>

県警察といたしましては、平成24年中、認知件数が減少し、検挙件数は増加、低迷していた検挙率も全国平均の59.3%を上回るなど一定の成果が得られたものと考えております。しかしながら、ここ数年認知件数が年間500件以上と認知件数が、高水準で推移しており、性犯罪の抑止に向けた取組みは未だ道半ばにあると認識しております。

「sexual_violence_incident_rates_in_fukuoka.pdf」をダウンロード

<堤かなめ>

平成23年9月定例会で性犯罪対策につきまして一般質問し、他県に比べると、性犯罪の発生率が高く検挙率が低い、つまり、事件はたくさん起きているのに犯人はあまり捕まっていない、という現状にあることがわかりました。平成24年度より「性犯罪の抑止」が、県警における3大重点目標の1つとなったことは、県民の安全・安心に向けた大きな一歩だと考えます。そして、今回、検挙率が高まったことについては、県警の皆さんのご努力の成果であり、1つ1つ、事件の解決に取り組まれている方々に感謝いたします。

 

ご案内のとおり、犯罪の被害に遭っても警察に届けられない数は「暗数」と呼ばれ、とりわけ性犯罪ではこの「暗数」が非常に多いと言われています。被害者が勇気をもって警察に申告した件数が年間500件を超える、ということですから、実際の被害の多さを考えると、暗澹たる思いにかられます。県警におかれましても「性犯罪の抑止に向けた取組みは、未だ道半ば」という認識をおもちとのこと。取組のさらなる強化が待たれるところですが、発生を抑えたり、検挙率を高めるため今後の取組はどのようにすべきとお考えでしょうか?

<答>

性犯罪の予防と検挙につきましては、今後も、広報啓発活動などによる防犯意識・自己防衛能力の向上を図るとともに、事件発生時には、被疑者の早期検挙に向けた初動捜査の徹底とDNA鑑定をはじめとした科学捜査を推進してまいりたいと考えております。

<堤かなめ>

現在のDNA型鑑定方法では、約5兆人に1人の正確さで個人を特定できるまでに信頼性が向上しており、鑑定数も急激に増加していると聞いています[1]。つまり、証拠の採取ができさえすれば、犯人の特定はかなり容易になるわけです。しかしながら、事件のショックや恥ずかしさなどから、届け出るまでに何カ月も躊躇してしまう方も多いと聞きます。証拠の採取のためにも、被害にあった人ができるだけ早く、安心できる相談窓口につながるようにしなければなりません。

 

そこでお尋ねします。県警が実施しているSDE(自己防衛教育)の中で、実際に被害にあった場合の対応として、まず相談電話についての情報について、(その番号、専門の女性相談員が対応すること、秘密が守られることなどを)、必ず盛り込むべきと考えます。さらには、性感染症や望まない妊娠のおそれもあるため病院での診療が必要であること、そして、事件後すぐにシャワーを浴びる方が多いと聞きますが、犯人の特定には証拠の採取が必要で、シャワーを浴びずに婦人科へ行くこと、しかし、いずれにおいても本人の意思が尊重され強制されないことなど、より具体的に講座に盛り込む必要があると考えますが、この点についてどのようにお考えでしょうか?

 

<答>

SDEの講座の内容につきましては、教諭が生徒に対し、性犯罪被害に遭わないための防犯講話を実施しているものであり、被害に遭った場合の具体的な対応については、盛り込まれておりません。被害に遭った場合の相談や届出などの方法については、防犯教室等において、広報を行っているところであり、今後は、SDEにおいても、相談電話等を記載したリーフレットを配布するなど、情報提供に努めてまいりたいと考えております。

 

<堤かなめ>

「被害に遭わないための防犯講話」とのことですが、現実には、どんなに「被害に遭わないよう」に、危険回避を心がけたとしても、仕事で夜遅くなってしまうこともあります。どんなに用心して防犯ベルや笛をもっていても、実際には恐怖で固まってしまって使えないこともあります。また、相手が複数であったり、刃物をもっていたりする場合には、生半可な護身術の知識は役に立たないばかりか、かえって危険ですらあります。自分自身や周りの人が被害に遭った時に、どうすればいいのか、どこに相談できるのか、具体的な情報があったほうが、現実に役に立つのではないでしょうか。どのような講座がより効果的かを検証し、講座内容を改善するよう再考をお願いします。

「no_go_tell.pdf」をダウンロード

資料は、CAPプログラムの子ども向けの講座に基づいて書かれた本『あなたが守る~あなたの心・あなたのからだ~』からの抜粋です。CAPとは、Child Assault Preventionの略で、「子どもが暴力から自分を守るための教育プログラム」です[2]。1978年にアメリカで始まったものですが、大きな効果をあげており、日本でも全国に広がっています。講座の内容は、30年にわたる歴史の中で検証を重ね、練り上げられたものになっています。被害に遭った場合の対応の仕方として、No,Go,Tellを子どもたちにわかりやすく教えています。

 

現在県警サイトでダウンロードできるようになっている、DVD『護身術のすすめ』や各種チラシの中には、「Tell、相談」について全く触れていないものがあります。「相談」について、できるだけ具体的に盛り込むなど、専門家の意見を取り入れながら、各種の防犯資料をより適切なものに改訂するよう要望いたします。

 

また、犯人を特定し検挙率を高めるには、証拠の採取や現場検証などが必要ですが、これは被害者にとっては大きな負担となりかねません。痴漢なども含め性犯罪の捜査にあたっては、どのような配慮をしているのでしょうか?

 

<答>

被害に遭われた方が警察に届け出た場合、事情聴取を担当する捜査員の性別についての希望を確認するとともに、診察・治療につきましては、女性の支援要員が病院まで付き添うようにしております。また、現場検証等につきましては、証拠の収集や事情聴取などを可能な限り迅速かつ的確に行うなど、被害に遭われた方の心情に配慮した対応を行っているところであります。

 

<堤かなめ>

被害者の心情に配慮した対応をしているとのことですが、このような対応が徹底されているのか、残念ですが疑問を持たざるを得ません。今年になってのことです。ある女性から次のような体験をお聞きしました。

「夜中の12時ごろ、駅から1人での帰りに、痴漢にあい、警察に電話して被害届を出しました。護身用の笛を肌身離さず付けているのに、笛も携帯も使うことなんてできなかったです。7人の警察の方、3台のパトカーがきて、現場検証で何枚も写真を撮り、何度も同じことを繰り返し発言しなければならず、気丈にふるまっていても本当は吐き気と落ち込みが激しかったです。対応してもらったこと自体は有難いのですが、みな男の人ですし、つらかった。」

これは例外的な事例なのかもしれませんが、県警の対応方針が現場でどこまで徹底されているのか、早急に実態調査が必要ではないでしょうか。また、女性警察官のさらなる配置拡大を強く要望いたします。また、現状では、男性警察官しか待機していない交番に、襲われた女性が深夜に駆け込んでくるというような状況も起こり得るでしょう。緊急避妊の薬は72時間以内に飲まなくてはなりません。初期対応を間違えると、取り返しががつかないのです。19日に第5款において提案しました、たとえば「性暴力・DVホットライン、0120-○○-○○○」のような、専門の女性相談員が常時対応する相談電話があれば、交番からその番号に電話することで、適切な初期対応が可能であると考えます。県警としても、ぜひ、このホットラインの設置にご協力をお願いいたします。

 

最後に、3大重点目標の一つとして、性犯罪の抑止に向けた決意をお聞かせください。

 

<答>

「魂の殺人」とも言われている性犯罪は、被害に遭われた方やその家族の心身に深い傷跡を残すだけでなく、地域住民の皆さまにも大きな不安を与えるものであります。今後とも、SDEの推進や前兆事案への適切な対応などによる未然防止と、初動捜査等における迅速・的確な対応を徹底するなど、予防と検挙の両面から、組織一丸となって、性犯罪の抑止に強力に取り組んでいく所存であります。

 

<堤かなめ>

「性犯罪の予防と検挙に組織を挙げて取り組んでいく」との力強いお言葉有難うございます。2000年に実施された調査によれば[3]、性犯罪の加害者が被害者を選んだ理由として最も多かったのは、「警察に届け出ることはないと思った」そして「おとなしそうに見えた」で、どちらも37%。一方、「挑発的な服装」はわずか5%と、一般的な認識とはかなり異なる結果でした。

くどいようですが、たとえば「0120-○○○-○○○」のような、わかりやすい番号のホットラインを常時開設し、大々的に広報宣伝することが、警察への届け出を増やし、性犯罪を抑止する「最大の予防策」であるということを再度述べさせていただきまして、質問を終わります。有難うございました。


[1] http://www8.cao.go.jp/cstp/5minutes/005/index2.html

[2] http://www10.plala.or.jp/cap-tanpopo/cap.html

[3]内山 恂子「性犯罪の被害者の被害実態と加害者の社会的背景」『警察時報』 2000

 

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