JR博多駅近くの歴史散策スポット~福岡市博多区御供所町~
福岡市博多区は、日本では京都と奈良に次いで神社仏閣の数が多く、京都に次いで2番目に禅寺が多いと言われています。なかでも御供所(ごくしょ)町は、別名「寺町」と呼ばれるほど、お寺の多い地区です。御供所町までは、ビジネスビルが立ち並ぶ博多駅からわずか徒歩10分あまり。由緒ある有名寺院がずらりと並んでいます。
この界隈は、一見オフィス街のようですが、表通りから少し入ると400年前の太閤町割りの名残をとどめ、風情ある佇まいの町屋や緑豊かな参道など、趣のある街並みが残されています。この周辺は、1998年に福岡市都市景観条例に基づく都市景観形成地区に指定されました。地域の方々や企業の協力によって、博多の歴史と文化の魅力をもっと多くの人たちに発信する様々な試みもなされています。
2006年には、「御供所ライトアップウォーク」が初めて開催され、各寺院の門や御堂、庭園などがライトアップされ幻想的な雰囲気に包まれました。以降毎年秋の博多のお祭りとして、観光客も多く訪れるようになってきました。博多祇園山笠が行われることで有名な櫛田神社なども加わり、広く博多に広がるお祭りとして親しまれています。また、御供所名店会と御供所まちづくり協議会は、御供所地区の寺社や周辺飲食店を紹介する観光散策マップを昨年に共同製作しました。「博多の寺社町」の入り口として巨大門を建設する計画も発表されています。
御供所町は、JR博多駅から歩いて博多の歴史や文化を楽しむことができる歴史散策スポットとして、もっと多くの観光客を呼び込むことができる潜在力をもっています。昨年の九州新幹線鹿児島ルート全線開通により、JR博多駅の集客力は格段にアップしました。JR博多駅から御供所町だけでなく、住吉神社や櫛田神社、キャナルシティや第2キャナルなどをつなぎ回遊性を高めるための整備に、福岡県としてもぜひとも力を入れていただきたいと考えています。